オーラルプロポーションクリニック 歯科&矯正歯科

症例&コラム

理想的な噛み合わせと美しい輪郭を手に入れるセットバック手術について

理想的な噛み合わせと美しい輪郭を手に入れるセットバック手術

セットバック 口元の輪郭についてのご相談いただく機会が増えてまいりました。
輪郭不良の原因として、受け口、口ゴボ、過度な出っ歯、左右非対称、エラの張り等多岐にわたります。
歯列が原因の場合、歯列矯正が第一選択となり、セラミック矯正等が他の選択肢として考慮されます。
一方、骨格が原因のものは、外科的矯正治療、輪郭形成手術が根本治療になります。
今回はセットバック手術について当院で行った1例をもとに説明いたします。

患者様のお悩み

口元の突出感(上下)にお悩みでご来院されました。
骨格性前歯部上下顎前突が認められたため、外科矯正治療(上下セットバック手術)をご提案し、全身麻酔下での手術となりました。
手術時間は約5時間、出血量は100cc未満、手術は日帰りで行い、翌日消毒にご来院、1週間後に抜糸、2週間後に経過観察でのご来院となります。
骨癒合完了後、空隙部分を補綴治療で補い、10ヶ月前後で抜釘を行います。

セットバック費用

当院では、手術費や治療費を含め、税込み1,980,000円で行っております。

セットバック手術のメリット

日帰り手術が可能

当院での手術における出血量はごく少量(100ccに満たないもの)です。そのため腫れや疼痛も比較的軽度なため、日帰りが可能となります。
セットバック手術と比較されるルフォー1型骨切り術・SSROでは最低でも1週間の入院を余儀なくされます。
※全身状態や既往歴によって入院管理が必要になることがあります。

奥歯の噛み合わせを変化させることなく突出感を改善できる

セットバック手術は前歯部の骨切りですので、奥歯の骨は動かしません。したがって術後の違和感が比較的少ないです。

顎間固定が不要

ルフォー1型骨切り術・SSROでは後戻り防止のため、顎間固定といわれるワイヤー固定が半年以上必要となり、一時的に著しく生活に支障が出ます。
一方、セットバック手術では後戻りがない骨切りデザインになるため、術後の顎間固定が不要になります。

セットバック手術のデメリット

セットバックでは奥歯の骨を動かさない

奥歯の噛み合わせに問題がある方には第一選択とはなりません。ただし、詳細を説明した上でご希望される患者様には行なっています。

第一小臼歯(前から4番目の左右の歯)の抜歯が必要

抜歯したスペースを利用してセットバックさせますが、0.5歯分程のスペースが残ります。この部分は、歯並びを整えるため、術後セラミッククラウン(かぶせ物)か矯正治療が必要になります。
個人的にはセラミッククラウンで整える方が仕上がりが良いと考えます。

当院の外科矯正治療に対するこだわり

理想的な咬合を追求

見た目を改善させるのは当然のことです。
しかし見た目だけ良くなるように骨切りを行うと、噛み合わせを崩壊させてしまいます。
当院の患者様の中でも某美容外科にて同様の手術が行われ、噛み合わせが崩壊。
音を作りにくい歯並びになってしまい、しゃべる時に舌足らずになってしまった、前歯部に咬合力が集中してしまい、前歯がグラグラになってしまったという悲惨な悲鳴を耳にしました。
直ちに再手術が必要と説明するも執刀医に拒否され、放置された事例もあります。
手術でどこまでセットバックさせるのか。術後は歯列矯正を介入するのか。被せ物で整えるのか等、術前の計画で治療の運命が決定すると言っても過言ではありません。
当院では外科治療に特化し、なおかつ咬合治療を日常的に行なっている医師によって手術が行われます。
また術後補綴を担当する歯科技工士も手術計画に携わり、骨を固定する位置を決定するサージカルプレートを作製します。
最適な術後の咬合状態を提供できるよう、各種専門職の知見をもとに計画を立てます。

安全第一にこだわり抜いた器具を採用

◎超音波メスを用いた骨切削
骨切削の際、主に使用する切削器具として、ノコギリ状のボーンソウ、回転切削器具、そして超音波メスがあります。
前者2つは短時間で切削可能ですが、出血リスク、摩擦熱で骨を火傷させてしまうリスクが高いです。
超音波メスは切削に時間がかかりますが、安全性に優れており、当院では超音波メスで切削可能部位は必ず使用しています。
当院でのセットバック手術は上下顎合わせて5時間程いただいておりますが、超音波メスの使用がその所以の1つです。 しっかり丁寧にをモットーに手術を行います。

◎骨切りプレートの使用
骨切り後は強固な固定が必須となります。
経費削減のためか、骨切り後の固定をワイヤーで止めているだけというクリニックが散見されます。
外科矯正治療は決して安価ではない治療です。当然治療する側も設備投資をする必要があります。
当院では骨切り専用プレートを使用し、しっかりとした術後固定を行なっています。

執刀医2人体制での手術

本手術は口腔外科認定医資格を保有する金丸と当法人理事長である小野医師による2人執刀医体制で臨みます。2人の目で確認しながら手術を進めます。
当院は終始、執刀医レベルの医師2人で従事する数少ない施設と自負しています。


まだまだお伝えしたい内容がありますので、詳細をお聞きになりたい方は是非一度お問合せください。

【監修】歯科医師 金丸健太

長崎大学歯学部卒業
外科治療を中心に診療をしております。特に外科矯正を多数経験しており、お顔のバランスと噛み合わせを考えた治療をご提供いたします。